第20回 環境マネジメントシステムの背景②

前回は、環境マネジメントシステムを理解するに当たって押さえておくべき背景を考察しました。ISO14001は規格制定の背景を理解していないと、ただ面倒な指示の羅列になりかねないのです。現行のISO14001:2004が発行された時期は、欧州で重要な環境規制法令が相次いで公布され、実効された時期と重なります。2010年以降もこれらの規制は改正され、対象とする範囲を拡大しています。

先進国が集中する欧州では、以前から資源の有効利用や環境保護への取り組みが進められており、国際的な環境規制や輸出業務に大きな影響を与えています。ここで、欧州の重要な環境規制を整理します。
第20回 環境マネジメントシステムの背景②

主な環境規制を並べましたが、規制の目的や対象を整理する過程で根底となる考え方が明らかになります。それは、欧州では、製品の環境関連規制について、製品のライフサイクル全体で環境負荷を最小限にする方策をとっていることです。ライフサイクルとは、製品が資源入手から設計・製造、使用、廃棄に至る全ての段階で、環境に対する何らかの影響を与えるという考え方です。

現行のISO14001でも、ライフサイクルは意識されていますが、改訂版では、この考え方が一層鮮明になり、ライフサイクルを考慮することが要求事項に規定される予定です。これからISO14001の認証に取り組む企業は勿論ですが、既に認証を維持している企業でもライフサイクルにおける自社の製品・サービスが与える環境影響を見直すことが求められます。


(次回更新予定 2014年11月28日頃)


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