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ISO9001・ISO14001　2015年改定を予測する！


2015年改定ではハイレベルストラクチャーが採用されます。ハイレベルストラクチャーとは、ISO9001やISO14001のようなＭＳＳ（マネジメントシステム規格）が共通して持つ要求項目を抽出し、これを再構成して共通の構造を持たせたものです。併せて共通テキストや用語を使用することによって相互の互換性が高まります。

①ハイレベルストラクチャー採用の背景
ISOは9001をベースに、ISO14001（環境マネジメントシステム）、ISO22000（食品安全マネジメントシステム）、OHSAS18001（労働安全）と、それぞれの意図する分野により特化したマネジメントシステムが続々と発行されました。これに伴い、複数の規格の認証を取得する企業が珍しくなくなりました。複数認証を持つ企業の中には、品質マネジメントシステムと環境マネジメントシステムを全く別のものと捉え、別々の担当者で異なる方針で運用しているところも見られます。一方で、ＰＤＣＡサイクルに従った運用体系というマネジメントシステムの構造を理解している企業では、重複する部分を整理して事務負担を少しでも減らしたいという要望が増えてきました。ハイレベルストラクチャーはこのような背景の中で考案されたのです。

②ハイレベルストラクチャーで要求事項の構成はこのように変わる
　2015年改定後も方針を定め、それを実現する計画を策定し、実践し、内部監査によってチェックし、マネジメントレビューや是正処置によって改善していくマネジメントシステムの流れは変わりません。下図に示したように各規格の重なり合う部分をマネジメントシステムの土台とし、この上にQMS、EMS独自の要求事項が加える構成になります。既にISO39001（道路交通安全マネジメントシステム）などでは採用されていますので、参考にされるとよいでしょう。




ハイレベルストラクチャーの採用により、複数の認証を取得している組織には、統合したマニュアル作成が容易になり、事務負担量が軽減できるとともに、他の規格のよい点を取り込むことが出来るといったメリットがあります。

次回は、リスク管理について考察を加えたいと思います。

（次回更新予定　2014年1月6日頃）
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