第16回 パフォーマンス評価

 今回はPDCAサイクルのCheckに該当するパフォーマンス評価を考察したいと思います。この項目も基本的な構成はISO9001とISO14001と大きな違いはありません。
第16回 パフォーマンス評価
まず9.1項ですが、ISO9001では顧客の満足度の監視測定、ISO14001では、法規制への適合、環境パフォーマンスを監視測定することを定めており、それぞれのマネジメントシステムの目的の達成度合いを測定することになります。9.2項は内部監査、9.3項はマネジメントレビューの実施を定めており、マネジメントシステムの実施状況とその効果を社内で監視し、トップマネジメントの評価・指示を得るという構成はISO9001でもISO14001で相違はありません。この項目では、現行の要求事項と比較して、内容的には大きな変化はありませんが、以下の点が現行版と異なります。

(1)製品の監視・測定はパフォーマンス評価と区別される
現行のISO9001では、8項 測定、分析及び改善の項に8.2.4項として製品の監視及び測定があります。運用の項でも述べましたが、この項は、製品の品質自体の評価であり、一般には製品検査プロセスとなるため、運用、即ち製造過程の一連の流れの中に組み込まれることになりました。この区分けにより、改訂版のパフォーマンス評価は、品質を含む組織の活動・サービスに対し顧客がどのように評価しているかを監視測定するものであることがことが明らかになりました。

(2)データ分析・評価
データの活用については、ISO9001では、現行版にも8.4項データ分析に定めていますが、ISO14001の現行版では、データの活用と明記した要求項目はありません。しかし、4.5.4項記録の管理に追跡調査できることを規定しており、これにデータの活用としての意味を含ませていました。改訂版では、ISO14001にも独立したデータの分析及び評価の項を設けることになりました。また、データの分析だけでなく、評価まで求められるようになったことも改訂版の特色です。これは、データのグラフ化のみで満足してしまい、その分析結果をどのように評価するかを検討していないなど、データを有効に活用していない組織が少なからず見られたことに対応したものです。

(3)パフォーマンス指標の設定
改訂版では、単にパフォーマンスを評価するだけでなく、その評価結果が期待された水準を満たすか否かを明確に出来るパフォーマンス指標を定めて測定することを求めています。これにより、単に結果を羅列しただけでは評価したと言えず、指標に照らして達成状況を明らかにすることまでがデータ分析・評価の範疇となります。

(次回更新予定 2014年7月30日頃)


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